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デジタル教材活用が進む中で
皆様

 広場から暫くご無沙汰している間に、梅雨の真っ只中、九州などの豪雨被害のニュースに毎日
心が痛むこの頃です。皆様お元気でいらっしゃいますか。

 ご無沙汰の言い訳にはなりませんが、この2ヶ月ばかり、私はあちこちの小学校の校内研修や
研究主任の先生方との勉強会に伺ってたくさんのことを学ばせていただいておりました。2011
年の必修化を前に、先生方が年間35回の授業をどう効率的に進めようか、 と努力しておられる
お姿に大変力づけられております。子どもたちが中学に進学したときに、「小学校の時に英語に
触れる機会があってよかった」と言って貰えるような授業作りをして、「小・中の連携」を成功
させたい、と先生方とお話をしながら考えさせられます。

 学校を訪問して驚かせられるのは、電子ボードが設置されている小学校が多い、ということで
す。あの「仕分け」で導入が削られたと報道されていましたから、小学校ではデジタル教材を使
うことは無理なのでは、と思っていたのですが、多いところでは、学年に1台ずつ6台入ってい
たり、地域内の全小・中学校に入っていたりして、ICT機器を使った授業が行われていることを
教えられました。中には、先生個人でお求めになり、それを学校に置いて授業をされている、と
いう例も珍しくないようです。電子ボードの機種は十数種あるそうで、その機能もまちまちです
から、電子ボードを活用した授業といっても一様ではないでしょう。でも、これはICT機器活用
による開発の転換期が訪れているということだろうと思います。

 実は、このような現場の変化が急速に起こるとは思いもよらず、それでもデジタル教材のおも
しろさに惹かれて、3年くらい前からデジタル教材の開発に取り組み始めました。このホームペ
ージでも紹介している『Touch & Learn 』をこの春完成させて、いよいよ、長年の願いであっ
たぼーぐなん教材のデジタル化に着手しました。そろそろ『English in Action』の1冊目が完了
します。この教材を使ってくださっている先生方からの強い希望に背中を押されて、岩橋と久埜
とで、あぁでもない、こうでもない、とメイルでやり取りをしながら作業を続けました。1980
年当時、紙媒体とカセットテープによる音声教材で作った English in Action Series  の指導方法
とその背後にあるコンセプトを何一つ変更することなく制作しています。新しい機器を活用する
ことで、ページをめくりながら授業作りをしたのとはひと味違うことができるようになりました。
ボードをタッチするだけで音声が確保され、カードなどを動かす代わりに画面のアイテムを動か
すことで子どもたちを惹きつけるQ&Aが出来るようになりましたから、今までにはない子ども
たちとの英語によるやり取りが出来ると思います。

 いずれ、先生方のお手元に届いて使い始めてくださると、もっといろいろなアイディアがこの
広場に届くかもしれません。その日を楽しみに、さらに2冊目から4冊目まで、そして WORD 
BOOK や『ABCの本』などにも手を染めていこうと考えています。

 正直なところ、電子ボードで遊んでいた、と申しあげた方がいいような楽しい仕事です。新し
い技術を駆使して、さらに子どもの英語への興味関心を高めて、学習を容易にしていきたいと考
えています。これは子どもたちばかりでなく、私たち教師にとっても、ボードから正しい英語が
聞こえてくる、素晴らしい授業のサポーターです。上手に使えるようになりたい、とやればやる
ほど毎日発見のある電子ボードで頭の体操をしています。

 皆様、お元気で実り多い夏休みをお過ごし下さいませ。



                                   久埜百合(中部学院大学)
2010.7.12.


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