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          やっぱり幼い子どもは素晴らしい! 
 今日は、年3回お邪魔している千葉県船橋市にある幼稚園で、2コマ'授業!'をして
きました。この前に行ったのは、5月17日でしたから、半年後の再会でした。

 それでも、私が "Hello!" と声をかけると、"Hello!" と応えてくれて、ホッとしました。
"Good morning!"と挨拶をすると、間をおかず、すぐに"Good morning!" と返ってきて、
とても調子よく授業がスタートしました。♪Good morning, ...と歌い出すと、「あっ、
あの歌だ!」というように顔を見合わせて、だんだん声を大きくして歌ってくれました。
Good morningと歌う回数を数えながらもう一度歌うと、指で数えながら、更にしっか
り歌ってくれて、これで40分あまりの授業はうまく流れそうかな、と思わせてくれま
した。体の部分を触ったり、歌ったりして遊んでから、教室内の展示物の中に見つけた
星のマークを"Let's count these stars."と声をかけて指示棒で触りながら数えていき
ました。10で止めようとしたら「イレブン!」と声がかかったので、はて、何処まで
行けるかなと思いつつ続けました。数えられない子どももいたはずですが、少しタイミ
ングがずれても、みんな口を動かし、はっきりした声で続けて20まで数えました。こ
こで次の活動に移ったのでは、今日初めて10以上の数に出会った子どもは不安のまま
終わってしまうだろうと思い、小さな椅子に座っている30人の子どもたちを数えるよ
うに促すと、すぐに私と一緒に数え始めました。15を越えても声は小さくなりません
でした。わざと数え方を間違えると、本当に困った大人だ、と言わんばかりの顔をして
私を見つめていました。
 
 そんなことをして、すっかり声を出したい気分が高まってきたところで、Eric Carle
Brown Bear (Big Book)を使って読み聞かせをしました。始めに大きな熊の絵のある
表紙を見せて、"What is this?  Is this a dog?" というと、"NO!" と返ってきました。
「クマだよ!」と教えてくれた子どもの下がり調子のイントネーションが、子どもたち
と私との心の繋がりを感じさせてくれました。縞模様の色を指さすと、すぐに英語で応
じてくれました。Purple も殆どの子どもが覚えていた、言えた、というのは、期待以上
でした。

 2番目のクラスで、この縞模様のページを見せた時に、すぐさま「レッド!ホワイト!」
と、とてもいい声で言う子どもが3人ほどいました。こちらは何くわぬ顔で、それでも
すぐに語尾に母音のない'red'と'white'の音を聞かせると、真似をしていました。特に言
い直させるような練習はせず、どうなるかな、と思いながら、読み聞かせを続けて、最
後に、たくさんのこどもが並んでいるページに来たとき、「アメリカ人もいる!」と一
人の男の子が言いました。もう一度、"Monkey,  monkey,  what do you see?   I see 
children looking at me."  と言って、次のページに行く前に、その子の発言の余韻が
まだ残っていたので、「この本はアメリカ人が書いた本なのよ。」と言うと、全員が
「ふ〜〜〜ん!」と感に堪えたような声。「どれがアメリカ人だと思う?」と聞くと、
「あれだ!こっちだ!」とちょっと騒がしくなりました。そこで、「アメリカには世界
中の人が来て住んでいるから、これはみんなアメリカ人かもね。」とこちらを見つめて
いる9人の子どもたちの絵を触ると、如何にも納得、という顔でした。  5、6歳児の
世界観がどの辺りかつかめないながらも、こういう国際感覚を、まだ早い、と触れない
ようにするより、ポロッとでてきたときには、出来るだけ掬い取ることも大事なのだな、
と思い知らされました。
 
  そして絵本に戻って、"Children,children, what do you see?" と言って、それまで
読んできた動物たちが並んでいるページを開いて、子どもたちと一緒に動物の名前を色
と共に言っていきました。最後のページの縞模様を指さすと、順番に色の名前を言い始
めました。特に発音を復習したわけではないのに、誰も「レッド」、「ホワイト」と言
わないのです。私はもう声を出さず指さすだけにして、子どもたちがはっきりと発音し
ながら色の名前を順番に言っていくのに任せていました! 色を続けて言うのですから、
一つ一つ少しずつ昇り調子のイントネーションにもなっていました。
 
  そこまでの25分くらいの英語でのやり取りで、子どもたちの中に何が起こっていた
のでしょう。短時間ではあっても英語の音を受け渡すことが出来たのかな、と胸がとき
めきました。忘れたくない、覚えておきたい一瞬でした。その後10分あまり、色や形
の違うシールを配って、ガラスの空きビンに貼り付けて飾る作業をして、子どもたちは
ご満悦でした。締めくくりに簡単なゲームをしたのですが、最後まで英語ムードは変わ
りませんでした。
 
  子どもって、やっぱり底知れぬ力を秘めている、と改めて思い知らされた一日でした。
まだ子どもたちの透き通る声が耳に響いています。

                        久埜 百合(中部学院大学)
2011.12.8.

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