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「ぼ〜ぐなん教材」を使って
フランス人の学生と交流する子どもたち
     
 麻田美晴先生(カリタス小学校 フランス語科講師)から次のような興味深いご報告が
私たちに私信で寄せられました。 是非皆様にもご紹介したくなり、「広場」に転記
させていただきます。(編)

**************

 一昨日、フランスの Grands-Ecoles(専門大学院大学)の学生24名が 本校、カリ
タス小学校の5年生に、一日入学しました。フランスの大学で週1回、1年間日本語を
学び、 そして日本語学習(1カ月)と企業でのインターンシップ(農家、ホテルなど
1カ月)を兼ねて2カ月来日中の学生たちです。 本校は、日本側のNPO代表者とちょ
っとしたご縁があり、学生たちをお引き受けするようになって6年目です。 今年から
は、その学生の内20名を本校の保護者が交代でホームステイさせています。 そして
保護者だけでなく、卒業生、教員、そしてわたしもホストファミリーになっています。
学校を挙げての国際交流です。

 学生たちは5年生と一日を通常授業で一緒に過ごしました。体育、家庭科、理科、
算数、習字、クラブ活動、そして外国語授業。5年生少人数フランス語授業(40分)
では、4〜5人の子どもたちに対して1人のフランス人と理想的な環境となりました。 

 まず、お互いに仏日語で自己紹介。それからWORD BOOKを使ってページ探し。
フランス人大学生も要領はすぐに掴んで、いろいろヒントを出してくれます。ペー
ジが見つかったら、そのページにあるものを日本語とフランス語で言い合いっこ。 
けっこう盛り上がりました。使用しているWORD BOOKは英語とフランス語で表記
されているので(註)、日仏両者で英単語を使うことも可能でした。 時間があれば、
日本人の子どもが日本語でヒントを言ってみんなでページ探しもできると思います。

 時間を見計らって、さりげなく、各グループにマッチングカードを渡しました。
「神経衰弱、」とだけフランス人に言い、 カードを裏返して机の上
に広げるだけ。後は黙っています。しばらく、皆で順番を決めたり、カードを表に返
してマッチするものを探していますが、 突然あちこちから「あっ、そういうこと!」
と日本語、「Ah! J'ai compris」とフランス語が沸き起こります。この時のわたしの
快感!爽快感。 久埜教材の醍醐味ですね。 自然に自分たちでルールがわかる。その
後、日本語とフランス語で「切符 un billet」「汽車 un train」などと確認しながら、
日仏人入り混ざって夢中で遊んでいました。言葉を学ぶための理想的教材と認識しま
した。

 相手がパキスタンの子どもだったら?  北アフリカ辺りのまったく日本の文化を知
らない子どもだったら?  日本語を学ぶフランス人学生だったから喜ばれたのか? 
ウルドゥー語を学びたい、山奥の地方語しか知らない子どもたちに使えるか? など
など、またまた私の妄想が、言葉の世界を駆け巡り、広がってしまいました。

                                           麻田 美晴(カリタス小学校 仏語講師)

 (註)WORD BOOKのフランス語版は麻田先生のお手製です。'名前シール'を使って、
     1冊1冊に英語の文字の傍にフランス語を貼っておられます。


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 麻田先生! 嬉しいコメント満載のメールをありがとうございました。 カリタス小
学校の子どもたちとフランスの学生との交流が目に浮かびます。そして、ぼーぐなん
の教材がお役にたっていること、とても嬉しいです。有難いです。こんなふうに使っ
た!というご報告が いろいろな方々に伝わっていくといいな、と思います。

 何処に一番感激したかというと、 子どもが手取り足取りでなく、 自然に言葉を操り
だし、自律的に言葉を使うことを経験しているからです。Action in Languages なの
ですよね。教師なんだから教えなくちゃ・・・と子どもに真正面から迫っていくと、
子どもは、分かった?と常に応答することを要求されてしまいます。放っておかれる
と、子どもは何とかしよう、と手を動かし、心を働かせ、気持ちを伝える方法を発見
していきます。

 今回のご報告は、それが手に取るように見えて、有難かったのです。そして蛇足で
すが、先生のチョロッと書いてくださるフランス語が音として聞こえる、そんな気持
ちになれる自分に、60年前!フランス語に触れておいてよかった、と思いました。
その当時、珍しく豊かに音がある触れ方だった、というのが助けです。
                       久埜 百合(中部学院大学)

  この「広場」90号を読まれた渡辺麻美子先生が、次のようなメールを寄せてくださ
いました。 (カリタス小学校では、女子にはフランス語、男子には英語を教科として
教えられています。渡辺先生は男子の英語を担当しておられます。)

*****

 子どもたちってスゴイ!って私も感激した一日でした。
  男子もスゴイ!って思ったのは、男子は、名前、住んでいる所、好きなもの位しか
フランス語では言えないのですが(それだけでも私はスゴイ!と思うのですが)その
後に、質問したい人は、フランス語か英語で、と言ったら、「英語でもいいの?」と、
とっても嬉しそうに、どんどん英語で質問してくれたことです。
と言っても、
  What animals do you like?
  What sports do you like?
などの他愛もないことなのですが、私に助けを求めることなく、全員がどんどん質問
してくれたことです。
 
  フランス語は無理だけど英語ならなんとか・・・と男子たちが思っているところが、
カリタスならでは、と思いました。
                                                                               渡辺 麻美子

2013.7.6.

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