ぼ〜ぐなん広場(94) 『2015年を振り返って』
広場にお立ち寄りの皆様
暖冬とはいえ、朝夕はやはり冬の寒さを感じます。いよいよ2015年も暮れようとしておりますが、皆様はこの一年をどのようにお過ごしになられましたか。多くの収穫を一つ一つ思い返しておられることと思います。
テレビの画面を何遍でも繰り返し見たくなったニュースもあれば、聞き逃してはいけないけれど、画面は見てはいられない辛いものもありました。そのどれもが、コミュニケーションがどれだけ取れていたかに関わっているようにも思えました。早い話が、ラグビーの国際試合には英語での意思疎通ができることも勝利につながる!と聞いて、おぉ!やっぱり!と膝を打ちました。
どんなことも、ついつい子どもたちの国際コミュニケーション能力と結びつけてしまう毎日ですが、去年から今年にかけて、様々なことがありました。2013年12月13日に文科省から示された【グローバル化に対応した英語教育改革実施計画】では、小学校英語が教科になるだけでなく、週あたり授業回数が3回になる、ということで指導内容や指導計画がどうなるか、教員確保はどうするか、などと緊張しましたが、2015年8月の審議途中の報告で、週当たり2コマか、1コマ+短時間学習という提案があり、どちらに落ち着くのかと、大いに気を揉みながら今も落ち着かない気分でいます。
手の届かないところでの議論はさておき、私たちぼーぐなんは、去年から取り組んできたEnglish in Action全4巻のタブレット版をほぼ完成し、どのタブレット端末でも使えるように着々と準備を進めています。そして、完成を間近にして、都下の私立小学校でタブレット端末を子どもたちにも触らせながら授業をする実験を始めました。まだ数か月を経たばかりですが、12月早々には報告会を開き50名を超える参加者を得て、子どもたちの姿を映像で見ていただいたり、実際にタブレット端末に触れながら授業を体験していただきました。
これと同時に、反転学習についても進めている地域があることを踏まえて、個人学習で活用するとどんな手ごたえがあるものか、小1,4,6年生の子ども一人ずつにも実験をしてもらいました。報告できるほどの結果は出ていませんが、子どもたちが直ぐに指先や機器付属のペン先で器用に画面を操作し続けている様子は、見事です。その様子を見て、してやったり!と心の中で拍手を送っています。
これは、いずれHPで詳しくご報告ができると思いますので、お待ちください。
来春には、更に実験の場を増やし、授業で扱うだけでなく家庭学習でも活用していただく実験を重ねていく予定です。折々に、この広場でご報告ができるようにしたいと考えております。
去年ご報告した『思わず英語を使ってしまう活動集DVD』全6枚は、思いがけず『英語教育』(大修館)でもご紹介いただき、現場の先生方からだけでなく、大学での教員養成の講座でもお使いくださっているとの報告をいただいて、感謝しています。これは、北代暁也さん(NPO法人 ef+代表http://www.eftasu.com/about/philosophy/)が、映像の力で生き生きとした活動の様子を小学校の先生方に届けたい、と申し出て下さったことから始まり、私たちの勉強仲間がにわかに子役や指導者役を演じて、収録から編集まで、全てボランティアの精神で出来上がったものです。皆様にお届けする作業は、ぼーぐなん社が、これもボランティアでお引き受けくださいました。詳しくは下のURLをご覧ください。http://www.borgnan-eigo.com/exp/dvd.pdf
この他にも、現場の先生方と個人的に授業つくりについて勉強する機会をいただきました。教科化が目前に迫り、週当たりの授業回数は未定でも,授業時間が倍増すると言われている今、改めて授業つくりのありかたを研究する必要性を身に染みて感じています。タブレット教材も含め、ぼーぐなんの各種テキストやポスター、カードなどの使い方一つでも、子どもたちの英語運用能力の伸び方が変わってくるように思われます。そこで、もう一度希望者と集まって、ささやかな勉強会を始めようとしています。初回は1月7日です。2,3,4,5月は第1金曜日、6月は第2金曜日、時間は17:30〜21:00です。定員に限りがありますので、これもぼーぐなんHPのセミナー・勉強会案内欄をご覧ください。
去年ご報告した(一財)語学教育研究所・小学校外国語教育委員会主催の小学校英語指導者養成講座(年間3回実施)は回を重ねて、12月26日に「第11回セミナー」を実施しました。そのセミナー活動の一環として行っている小学校英語指導者資格認定では、既に10名の先生方が認定証を手にされていて、私どももお仲間が増え続けていることを喜んでおります。
数日後に明けようとしている2016年、私たちが子どもたちと英語を使い合いながら一歩一歩前進できますように、皆様のお力添えをお願いいたします。
新しい年も、どうぞお元気で、ますますご活躍くださいますように。 久埜 百合
2015.12.28.
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