えいごリアン・コーナー

6年生に、『おはなし・えいごリアン』を見せました
 6年生に、思い切って『おはなし・えいごリアン』を見せました。6年生と3匹の子ぶた はミスマッチかなぁと、少しどきどき。3匹の子ぶたは2回分あるので、両方見せるのには 20分以上かかります。担任の先生もご一緒なので、ずっとビデオを見せ続けるというのは ちょっと勇気がいるなぁ、などなど、考えながら見せました。  見せて良かった、と思いました。子どもたちは、文字通り、体を乗り出して、途中全く飽 きることなく、身をよじって、大笑いしながら、楽しんでいました。英語だけの世界で、こ れだけ集中し、楽しめる。すごい番組だと、改めて思いました。  普段あまり笑顔を見せてくれない子まで、レンガの塀をもってユージたちが逃げ回る最後 のシーンでは、声を上げてみんなと一緒に笑っているのに、ハッとしました。滅多に見せて くれない笑顔を見ることができて、とても嬉しかったです。  『えいごリアン』を知れば知るほど、『えいごリアン』の通常の番組で使われた表現が、 『おはなし・えいごリアン』にどれくらい詰まっているかが分かるようになり、よくこれだ け自然な流れの中で、えいごリアン視聴によって子どもが馴染んできたはずの例文を入れら れたなぁと、驚きです。『えいごリアン』と共に、『おはなし・えいごリアン』の存在と、 そのおもしろさをぜひお伝えしたいと思いました。  見終わったあと、「どうだった?」と尋ねると、子どもたちは、「絵があるから分かった よ!」とあっさりと言っていました。でも、本当は、絵のないところでも分かって笑ってい たよね…と私は思いました。例えば、ジャニカ扮するオオカミが3匹の子ぶたの家を望遠鏡 でみたあと、ソースを買いにスーパーマーケットに行こう!と言うところで、まだスーパー マーケットの画像が出る前から、「スーパーに行くなんて!オオカミが!どういう話だ?」 と笑っていたのを私は見逃さなかったぞ!と思いました。  分かるとか、分からないとか、英語か日本語か、そういう意識はなく、ただ、「お話を聞 いている」という意識で子どもたちは見ているのだな、と思いました。「この表現は習った」 とか「前にも聞いたな」というような考えは少しも浮かんでいないと思いました。ジャ二カ がすごい形相で I'm ANGRY! と叫んだのを聞いて、angry と呟いている子どもを見つけた時、 無意識に画面に飲み込まれているな、と思わず、その子の口元を見つめていました。  このように、心の深いところで英語を受けとめる体験が、「使える」ことにつながる、と 思います。この体験をしないまま、「英語を意識的に学ぶ」英語の"勉強"に移っていくとし たら、なかなか、「使える」ということに結びつかないのかな…などと、科学的根拠はない のですが、感じます。                               相田 眞喜子 ************* 相田先生  ご投稿を有り難うございます。『おはなし・えいごリアン』を制作していたときの、ひと コマ、ひとコマが思い出されます。ご指摘の通り、通常番組の『えいごリアン』40本で使 った英語をなるべく盛り込もう、新しい言い方は避けよう、ということに注意しながらスク リプトを作っていきました。子どもが英語を使う、ということを現場では「英語を話す」こ とと思いがちですが、「英語を聞き取って、意味を受け止める」ことも大事な「英語の使い 方」ですよね。英語の意味を理解した途端に反応している子どもたちの姿は、日本語か英語 か、ということとは別の世界で、言葉を使っているのだと思います。この経験があってこそ、 英語も身に付く、と考えられます。  思わず英語に反応してしまうように仕組むのは、教材制作者や教師の仕事です。これから もこのような、子どもたちが「思わず英語に反応してしまうような」教材・教具を用意して、 授業を深めていきたいと思います。                                久埜 百合                           

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