えいごリアン・コーナー

久埜百合先生の
アクティビティメニュー40

〜「えいごリアン」基本表現に即した40の活動アイディア集〜
 
※このページは、NHK出版、及び、NHKの許可をいただき、『これならできる!小学校英語ガイドブック 先生の
 ための NHK「えいごリアン」徹底活用術』(NHK出版 現在廃版 )から、抜粋転載させていただいております。

先生は基本表現だけを使えばよく、子どもは英語を聞いて、そしてYes./No.か簡単な単語、あるいは
基本表現のみで答えれば大丈夫、というものを中心に集めました。
「えいごリアン」は3,4年生を主な対象としていますが、英語活動をどの時期(学年、学期)に行う
かで、アクティビティが難しすぎたり、逆に子どもっぽく思えたり・・・・。 ぜひ、子どもの成長に
合わせてアレンジしていってください。

「えいごリアン」(20001年)#18

“Which is bigger?”“Let's check it.”
 Finger Family をうたうときに手形をつくり、Which is bigger? と、隣どうしで大きさを
比べるゲームは第4章でご紹介しました。ここでは、「紙ひも長さ比べ」ゲームをご紹介しま
しょう。準備するのは、人数分の同じサイズの紙(B5、A4など不要になった紙を使う)。
 全員に1枚ずつ紙を配ったら、Ready, go! 1枚の紙を手でどれだけ長くちぎることができる
かを競います。りんごの皮むき競争と同じことですね。時間がきたら、Which is longer? 
Let's check it!  少しでも長くちぎった子どもの勝ちです。グループ対抗、トーナメント方式
など、いろいろな対戦方法でやってみましょう。


<使う表現>

先生:  Which is longer?
子ども: Let's check it!


◎第4章より

 Finger Family をうたうときに、ちょっとした準備をしておきます。と言っても、先生が自分
の手形を紙に描くだけ。ペンでなぞるのに、ものの10秒もかからないでしょう。それをクラス
の子どもの数だけコピーして、もう1枚、拡大コピーしたものもそろえれば、これで準備完了で
す。これでどうやって、いろいろな英語表現を楽しむか。以下、順を追って久埜先生の授業方法
を見てみましょう。

(1)拡大した先生の手形を見せながら、それを黒板にはります。
この絵を指して、What's this?  This is my hand! と大げさに紹介。大きく引き伸ばしてある
ので、これでちょっと子どもの気を引けます。

(2)子どもを黒板の前まで呼んで、手形に自分の手を重ねさせます。
Put your hand here. 日本語で、「誰か手の大きな人、前に出て来て」と言ってもいいでしょ
う。ここで基本表現、Which is bigger?  我こそはと思っても子どもの手、拡大コピーには、
かないっこありません。かわいい子どもの手が、ますますかわいく見えます。そこで手形の方を
さして、Oh, this is bigger.

(3)何人かの子どもで、手の大きさ比べをした後で、今度は手形の親指を指して、Who is this?
子どもがポカンとしていたら、親指にメガネをかけたお父さんの顔を描き込んで、This is the 
father. そして、今度は人さし指をさして、Who is this? 要領をつかんだ子どもたちは、Mother.
と答えてくれるでしょう。

(4)こうして、手形で5人の家族を紹介したら、今度は自分の手を後ろ手に隠して、あたりを
見回し、Where is the father? またまた子どもはキョトン。ここで、親指を前に出して、This 
is the father. そして、手を隠したり出したりしながら、Finger Family の歌をうたいます。

(5)次は、子どもの数だけ用意しておいた手形のコピーを配ります。その上に、子どもの手形
を描き加えてもらうのです。Draw your hand on this paper. (手を縁どって描くジャスチャー
を添えると、子どもは理解しやすいでしょう。もちろん日本語で言ってもかまいません。)手形
を写している子どもの間を見回りながら、Which is bigger? と声をかけましょう。 手の大きい
男の子に、Wow, your hand is big!

(6)子どもの間を回っているとき、何人かの手形の紙を貸してもらいます。それをクラスのみ
んなに見せながら、基本表現 Whose is this? で誰の手形か当てっこ。ちょっとしたことですが、
楽しめます。当たったら、Yes, this is Taro's hand.

(7)最後に、隣同士の子どもたちで、手と手を重ね合わせて、Which is bigger? さりげなく
体が触れ合う活動で、教室に明るさがあふれますように!

 たった一枚の簡単な手形で、たくさんの活動ができました。しかし、1時間の授業の中で、こ
の活動を順番通りに全部行う必要は全くありません。あるときは歌だけうたってもいいのです。
一枚の手形を自由に使ったように、この授業例も自由にアレンジして使いこなしてください。


便利な動物たち 〜人を傷つけない教材選び〜

「手の大きさ比べ」は、きっと楽しい活動になるはずです。しかし、時には何らかの理由で、
みんなの前で自分の手や指を見せたくない子がいることもあります。身体のこと、また家族
のことなどプライベートな事柄をテーマにするときは、こまやかな心配りが必要です。
 目や口の大きさ、足の長さや速さなど、容姿や身体能力にかかわることを言語材料にする
ことも、思いがけず子どもの心を傷つけてしまうことがあります。
  そんなときに便利なのが動物たち。例えば、首が長いということをクラスの女の子を例に
言ってしまうと、先生はほめたつもりでも、その子は傷つくかもしれません。そんなときに
は、キリンに登場願えばいいのです。「足が短い」というと普通は悪口になってしまいます
が、相手がペンギンなら、それもかわいい特徴ということになります。能力や、大きさ比べ
も動物を例にすればカドが立ちません。例えば、Which is bigger? ゾウとネズミ。これは
違いすぎるかもしれませんが、違いすぎるから絵が楽しくなる。カバとサイ。これはなかな
か微妙でおもしろい。
  動物に頼る利点は、彼らが人間と同じような体の部位を持っているからということもあり
ます。
 
  The giraffe has a long neck and long legs. It has a black tongue.
  The penguin has a short neck and short legs.
  The hippopotamus has a big mouth and small ears.
  The cow has big eyes. The sheep has small eyes.
  The pig is fat. ・・・

  これなら誰も傷つく人もいないし、自分の体のことを考えて劣等感を持つ子もいないので
す。人の気持ちを思いやることは、基本中の基本。英語活動でも、そのことを常に意識して
おきたいものです。

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