えいごリアン・コーナー

英語活動初体験!
これで安心Q&A集

※このページは、NHK出版、及び、NHKの許可をいただき、『これならできる!小学校英語ガイドブック 先生の
 ための NHK「えいごリアン」徹底活用術』(NHK出版 現在廃版 )から、抜粋転載させていただいております。

Q:日本語の説明がゼロでは、
  子どもに理解できると思えませんが・・・?

  英語活動の時間に「えいごリアン」の視聴を導入してよいものかどうか、ずっと悩んでいます。
というのも、「えいごリアン」には日本語の説明がまったく出てこないからです。いくら出演者の
演技が優れているとはいえ、英語をまったく知らない子どもが、かなり込み入った番組内容を理解
できるとは到底思えません。ほんの1行でも、日本語で状況の説明などが入れば、教師も安心して
見せられると思うのですが、いかがでしょうか。


A:子どもたちが視聴している様子をそっと見ていましょう。
  子どもは理解しています。
  子どもの類推する力を信じてください。

  ちょっと実験をしてみましょう。まず最初に、目かくしをして「えいごリアン」の音声だけを
聞いてみてください。次に、音声を消して映像だけを見てみてください。いかがですか?もしも
英語が苦手な先生ならば、音声だけのときはまったく内容が理解できなかったはずです。でも、
映像だけのときは、少なくともスキット(寸劇)の部分は、なんとなく理解できたのではないで
しょうか。
  「えいごリアン」は、映像だけで十分内容が理解できるように制作されています。主演の3人
ともに芸達者ですが、特に中村有志さんのパントマイムには、音声ぬきで状況を理解させる強い
力があります。もちろん細部はわからないにしても、子どもたちは映像の力によって、何が話題
となり、それがどのように展開しているのかを理解しているのです。
  人間には類推する力があります。類推する力とは、いわば不完全なコミュニケーションの穴埋
めをしてしまう力。人間は、会話の中にわからない言葉がいくつかあっても、前後の言葉や相手
の動作・表情などからその言葉の意味を類推し、コミュニケーションを成立させることができる
のです。
  映像だけで番組の内容が理解できるのもこの類推する力のおかげですが、重要なのは、子ども
の類推する力は大人よりもはるかに強いということです。それはミニ・ユージの活躍ぶりを見れ
ば一目瞭然でしょう。こうした、子どものすばらしい類推する力を損なわないためにも、日本語
の説明は百害あって一利なし。日本語がないと不安なのは、類推する力が衰えてしまった大人だ
けです。

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