えいごリアン・コーナー

英語活動初体験!
これで安心Q&A集

※このページは、NHK出版、及び、NHKの許可をいただき、『これならできる!小学校英語ガイドブック 先生の
 ための NHK「えいごリアン」徹底活用術』(NHK出版 現在廃版 )から、抜粋転載させていただいております。

Q:英語が苦手です。
  日本語で授業を進めてもかまわないでしょうか?

 国際理解の時間に、「えいごリアン」を教材として使うことになりました。「えいごリアン」は、
せっかく日本語の入らない教材なのですから、私も日本語抜きで英語活動を進めたいとは思っている
のですが、実は学生時代から英語が苦手で、正直言って、毎回毎回大変憂うつな気持ちでおります。
 もちろん基本表現程度の英語は理解できますが、まず発音に自信がありません。それに、英語の歌
をうたったりゲームをやろうとしたりしても、英語しか使えないと思うと苦手意識が先に立ってしま
い、何を言っていいのかわからなくなってしまうのです。そういうときは開き直って日本語で授業を
進めてしまうのですが、それでもかまわないでしょうか。


A:かまいませんが、
  英語の語順を崩さない工夫が必要です。

 たとえば、こんな場面を想像してみてください。黒板にはった動物のカードを指しながら、What's
this? と子どもに質問をするアクティビティをやっていたとします。子どもは What's this? という文
の意味を知りませんから、いったい何を要求されているのかわかりません。そこで、サイのカードを指
しなが、This is a サイ. とサイの部分だけ日本語で言います。そうすると、子どもは動物の名前を尋ね
られていることを理解します。次に、 What's this? と言いながらカバのカードを指すと、今度子ども
は、This (That) is a カバ. と答えるかもしれません。そしたら、カバのカードを指しながら、Yes.
This is a hippopotamus. と英語で答えるのです。
 このように、あくまでも英語の語順を壊さずに、英語モードで日本語を使うことは可能です。ほんの
少し工夫しながら日本語を挟むことで、英語の苦手な先生もずいぶん気が楽になるのではないでしょう
か。すべて英語でなくてはと思うからこそ、肩に力が入ってしまうのです。
 しかしながら、「じゃあ、次は、Let's play a game. の時間だよ」というように、明らかな日本語モ
ードで、英語と日本語を取り混ぜるのはあまりよくありません。もしも、アクティビティとアクティビ
ティのつなぎの言葉や、ゲームのルールの説明を英語で言う自信がなければ、そこは潔くすべて日本語
にした方がましでしょう。また、発音に自信がないときは、決して知ったかぶりをせず、「先生もわか
らないな」と言いながら、子どもと一緒に番組を繰り返し見るようにしてください。
 英語の得意な先生が注意すべきこともあります。それは、子どもに英語の発話を強制しないことです。
たとえばゲームの順番が回ってきたとき、よく自分の顔を指しながら、日本語で「僕?」「私?」など
と小声で言う子どもがいます。こうした場合で My turn? といった英語の表現を強制すると、子どもは
一層萎縮してしまいます。英語で話すことをためらってしまう子どもの気持ちを、ぜひわかってあげた
いものです。日本語を使ったことをとがめずに、さりげなく Go ahead. と引き取って、英語モードに
いざなっていきましょう。

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