HP  (15)

HP子どもとの英語による語らい 
   
             
     
  
私たちは、英語の授業をしているときに、「教えるともなく教える」という自然な英語の対話の流れを
尊重します。「英語でたっぷり語りかける」と、No.14 でご質問があったように、子どもは単語だけで
答えたり、日本語まで口走っていて、先生が完全な文章を練習させないまま英語によるやり取りを楽し
んでいます。そこで、保護者や参観している先生方が「大丈夫かな?」と心配なさるのかと思います。
正しい英文を言っているのは先生だけじゃないか!というご心配です。
 
でも、私たちが、いかにも自然な成り行き、のような顔をして英語で話しかけているとき、実は、相当
に英語をコントロールしているのです。手当たり次第に英語を言っているように見せかけておいて、実
は、同じ形の英文を何度も耳にできるようにしてあり、子どもは、いつの間にかその形を耳の中に蓄え
られるような仕掛けがしてあるのです。
Ken-chan, what do you have in your pencil case?  "Pencil!"  Oh, you have a pencil.  
What else do you have?  Do you have a ruler?  Yes?  Oh, that's a nice ruler.  It is yellow.  
It has a dog on its top.  Do you like this dog?
Now, Yuki-chan, do you have a ruler, too?  Yes, you do.  Good.  What else do you have in 
your pencil case?  "マジック。" Oh, you have a marker.  What color is it?  "赤。" That's
right.  You have a red marker.  Do you have a blue marker, too?  No?  Oh, you have a blue 
colored pencil.
といった具合に、同じような話題で、次々と子どもたちに聞き、確認し、英語を語り続けます。
子どもたちの表情に、もうこの話題には飽きたな、という感じが読み取れたら、用意しておいた小物
のバッグを取り出して、 さて、 What do I have in this bag?  Can you guess?  Can you ask me, 
"Do you have a bird?  Do you have a monkey? etc."  Will you try? "キャット。" Oh, do I 
have a cat in this bag?  Yes, I do.  I have a cat.  Do you have a cat?  Oh, you have a cat 
on your handkerchief.  別の子どもに向かって、 Wow! You have strawberries! 次の子どもに、
また小物バッグを見せて、質問を促すと、小さな声で、「最初になんて言うんだっけ?」と聞いてき
ます。こちらも、小さな声(を装って、囁くようにしながら、結構みんなにも聞こえてしまうような
音量で) "Do you have 〜?" といいます。そうすると、子どもは自信を持って、Do you have a 
elephant? と聞くかもしれません。そうしたら、わざと、もう一度、Do I have AN elephant?  Do I 
・・・? Let me see.  Do I have an elephant?  Yes, I do.  I have an elephant.  You guessed 
right. So, will you ask me? と次の子どもに質問を促します。
 
ここまで繰り返せば、子どもは、どんな英語で聞けば、どんな答が返ってくるか分かりますから、同じ
ような質問を続けることが出来るのです。
 
実は、意外と早くに、文で英語を使って、気持ちを伝え合うことに漕ぎつけることができるのです。
 
単語や、日本語で話しかけてきたときに、必ず、こちらは、きわめて自然な受け答えをしているように
して、文の形で英語を使って話し続ける、これが、「単語でも大丈夫」と言える授業の裏ワザです。
でも、単純な英語を繰り返し使うだけですから、慣れれば、簡単です。
 
英語は主語と動詞がないと成り立たない言葉で、そこが日本語と違います。子どもたちには、なるべく
文の形で英語を聞かせるようにしたい、と思っています。
 
慣れれば、簡単!とは言え、単純な英語ながら、表情豊かに語りかけるのはとても難しいですね。
中学1年生級の短くてやさしいはずの英語を、どう表情豊かな英語にして聞かせるか、また、考えて
みましょう。


                                  久埜 百合  (中部学院大学)

                
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