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ぼ〜ぐなん広場 (28)
「えいごリアン」の活用法 | |
Q: 学校に「えいごリアン2000年、2001年版」のビデオが揃っています。担任ひとりで授業をしなければ ならないときに頼りたいと思っていますが、どのように使ったらいいのかをご指導いただけますでし ょうか。また、15分のビデオ視聴を入れて45分の流れをどのように組むと効果的なのかも教えていた だけますか。 A: 暫く前に、小学校で教員をしている友人から英語活動を始めなければならなくなった、どうしたらい いか、と相談を受けて間髪をいれず「『えいごリアン』を3回見せれば45分なんてあっという間じゃ ない!」と答えたことが思い出されます。 ご質問にお答えする前に押さえておきたいことがあります。『えいごリアン』 (現在は『えいごリア ン4』という番組名で再放送されています)は "What's this?" や "Let me try!" など基本表現を 中心に構成されていますが、これは決してその表現を言えるようにさせることがねらいではないとい うことです。その基本表現によって描くことのできる状況やその基本表現を使うときの心の動きをし っかり味わうことがねらいです。基本表現を反復練習して言えるようにさせることがねらいではあり ません。 『えいごリアン』を使った45分の授業の場合、15分はビデオ視聴に使いますから、考えなければなら ないのは45分の中のどの箇所でビデオを見せるかということと、あとの30分をどう使うかということ になります。この2点について、経験から学んだことを述べます。 英語活動の場合、どうしても日本語での生活から英語への切り替えのためのクッションの時間が必要 になりますので、いきなり授業の頭の部分でビデオをみるのはあまりに直截だと思います。『えいご リアン』を見ようと見まいと、すこしずつ英語のエンジンをかけていくウオームアップの時間をとる 必要があるでしょう。 ビデオを見た子ども達は、「こういうことが言いたいときには、こういう英語を使うんだな」という ことに気づきます。気づいたまま放っておくよりは、教室でもその表現を使ってみたくなるものです。 授業の最後の15分にビデオを見ると、教室でのナマの活動ができなくなってしまいます。こうした理 由から、ウオームアップなど視聴前の活動と実際に基本表現を教室で使う視聴後の活動の間に挟まれ る位置にビデオを視聴するのがいいと思います。 次に残りの30分の使い方です。視聴前の活動と視聴後の活動で30分を分けて使うことになります。こ の配分の仕方に黄金率はなく、その都度その都度変わるのが普通だと思います。 視聴前の活動では、歌を歌ったり、その日見るビデオの中にでてくる題材をちらりと匂わせる程度に 扱ってやりとりをしたりします。お天気のことがビデオで扱われるなら、最近の天気についてふれた り、傘を持っているか、傘は何色か、などと聞いたりといった活動が考えられます。 視聴後の活動では、基本表現の意味をしっかり捉えた活動をデザインします。例えば、"Do you have a red pencil?"が基本表現ならば、本当に「○○持ってる?」という場面が含まれた活動にするので す。数人の子どもを前に並べて、ひとりにだけえんぴつのキャップを握らせてだれが持っているかを あてるような活動であれば、ごく自然に "Do you have a cap?" ときく状況が作れます。だれが持っ ているかあてようと思うと子ども達は「△△さん」というように発言します。そこで先生が "△△- san, do you have a cap?"と英語で聞きます。先生が話す英語はこの一文だけでも十分です。その一 文を使えば、自分で直接聞くことができることに子ども達は気づきますので、少しずつ自然に口が動 いてきます。子どもの不十分な発話があったら、先生が正しい英語を聞かせるようにしますが、その 時に発話した子に向かって「言い間違えたから、正しい言い方を聞かせるんだ」という顔をみせるの ではなく、前に並んでいる子に「あの子はあなたが持ってると思ってるみたいだけど、本当に持って るの?」という気持ちで "Do you have a cap?"というようにします。 「えいごリアン」のホームページや年3回、新学期の直前に出るテキスト「えいごリアン4」 や「学校 放送」という雑誌にはいろいろな活動のアイディアが紹介されていますので、ぜひご参考になさって、 子ども達と楽しく英語に包まれてみてください。その他にも、「これならできる!小学校英語ガイド ブック…先生のためのNHK『えいごリアン』徹底活用術」という雑誌もお役に立つかと思います。 粕谷恭子 (聖マリア小学校) ※放送スケジュール(再放送) http://www.nhk.or.jp/eigorian/eigorian/fun/schedule_h.html ※「えいごリアン」(2000年、2001年版)バックナンバー http://202.214.202.101/eigorian/teacher/back.html ※「これならできる!小学校英語ガイドブック…先生のためのNHK『えいごリアン』徹底活用術」、 「えいごリアン4」、「学校放送」、いずれも、NHK出版から取り寄せることができます。 |
「広場」にお立ち寄りの皆さまへ | |
夏休みに入りましたが、お元気でいらっしゃいますか。 8月最後の週末にご一緒に勉強しようと計画したセミナーにお申し込み下さいました先生方、 お目にかかるのを楽しみにして居ります。また、人数制限でお断りをしなければならなかった 先生方、本当に申し訳ございません。何とか次の機会を作って、ご一緒に勉強できるようにし たいと思います。セミナーの様子については、また「広場」でご報告するように心がけますの で、是非、こちらを覗いてくださいませ。 「5・6年生で英語を必修」という答申が出たからには、その「必修化」に向けて、成り行 きが注目されます。私たちは、子どもたちとどのように英語に触れていけばいいのか、そして 中学から始まっていた英語教育が、この「必修化」でどう変わるのか、そのためには教員がど のような自己研修を続けていけばいいのか、たゆまず考えていきたいと思います。 のんびりした夏休みとはなりそうもない気配が、世界中に漂っています。 どうぞお元気でお過ごしくださいませ。久埜 百合 (中部学院大学) |
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